2018年 3月 に投稿されたブログ記事一覧

古典芸能の耳

国立小劇場での文楽公演の帰りに、稽古場にお越しになったお弟子さん。
「お人形の動きは舞の勉強になるんですけど、いまいち義太夫のよさがわからないんです」とお話しくださいました。
何を言ってるか聴き取れないし、字幕を読んでると舞台に集中できないし、と。

どうしても現代人は西洋音楽に慣れているので、日本の古典芸能の音には違和感を持たれる方が多いように思います。
私は、義太夫を楽しみたいなら、ぜひ昔の名人のCDをお聴きになったら、とお伝えしました。
まずは何枚も聴く必要はなく、1枚でよいので、とにかくずーっと繰り返してCDを流しておくと「古典芸能の耳」が培われ、義太夫だけでなく、ほかの日本古来の音楽にも親和性が高くなる気がしています。
名人中の名人、故・竹本越路太夫師のCDをおすすめすると「早速ネットで探します」。
現代の便利なツールを使って、古典を知ることができるのは、本当によい時代だなと思います。

お稽古にお越しの方

稽古場を開いてますと、インタビューなどで「どんな方がお稽古に来られていますか?」と聞かれることが多いです。
いちばん多いのは会社員や主婦の方ですが、特殊なご職業の方も。

漫画家、ダンサー、編集者、医師、大学講師、バレエ教師、会社経営…。
稽古のあいまにお茶を飲みながらわいわいと話していると「ここに来るといろんな人に出会えて嬉しい」と、皆さんおっしゃいます。
先輩ママが子育てのアドバイスをしていたり、新しい仕事のこと、流行ってるお店や時事問題など、さまざまな立場の方のさまざまな話題で盛り上がります。

「地唄舞や伝統芸能、着物が好き」という共通点があるので、ご入門の方もすぐ、古いお弟子さんたちと仲良くなっておられます。
新しいお仲間大歓迎、ぜひお気軽に地唄舞と、稽古場の雰囲気もご体験ください。

「きものとからだ」鼎談

9月6日発売の着物雑誌『七緒vol.59』にて、大好きな三砂ちづる先生、山崎陽子さんと「きものとからだ」について鼎談させていただきました。

着物といえば、締めつけて苦しいもの、たくさんの道具を使って面倒なもの、というイメージを持たれることが多いのですが、私自身はゆるく、紐2本と伊達締め1本でシンプルに着ています。
補正や西洋下着も(もちろん和装ブラジャーも!)つけないので、着つけにかかる時間も10分程度です。

日本舞踊のお稽古をすると、紐や帯を締めすぎるとつらくて動けないし、かと言って締め足りないと着崩れるしで、自然と締め具合のポイントがわかります。
そして姿勢がよく、体幹が強くなるので、着物が身体に沿ってくるようになります。
また、あんまりきっちり着ると野暮、という感覚があるので、日本舞踊家は、ふんわり、ゆるっと着ている方が多いです。

『七緒vol.59』では、日本舞踊を続けていることで気づいた着物と身体に関するお話を、じっくりさせていただきました。
津田塾大学教授で、名著『きものは、からだにとてもいい』を著された三砂ちづる先生、編集者でバレエをお稽古されてる山崎陽子さんとも、共感する部分がとても多く、楽しい鼎談になりました。
ぜひご一読くださいませ。

東大阪市文化創造館こけら落とし公演

「山村若佐紀 上方舞 夏の会」の翌日は、東大阪に新しくできたホールのこけら落とし公演でした。
若佐紀師匠は東大阪日本舞踊協会の会長でいらっしゃるので、おひらきに「祝いの舞」でご出演です。
私たち門人一同は、揃いの紋付きを着て朝8:30に集合、師匠のお手伝い。

師匠は前日にまる一日舞台袖にいらして采配されていたお疲れも全く見せられず、いつも通りの元気で朗らかなお姿。
昨日お世話になった顔師さん、衣装さん、かづらさん、小道具さんがそのままいらしていて、昨日のお礼とご挨拶。
師匠は『ぐち』を舞われるそうで、芸妓の拵えが着々とすすみます。

開場すると、たいへん大勢のお客さま。
師匠の『ぐち』は、本当にしみじみと情感にあふれていて、涙が出ました。

終演後は、また楽屋で師匠のお手伝い。
入門して60年をこえる姉弟子さんを筆頭に、それぞれ適材適所、いつも「完璧やなぁ」と感心するチームワークです。
白塗り化粧を落とす係、使用済みのものをパッキングする係…、私は師匠の着物の着つけを担当しました。
みんな師匠が大好きで、師匠のお役に立ちたくて、あれやこれやと動きます。
師匠の舞台のあとは、姉妹弟子どうしが一致団結する、大切な時間でもあります。

スタッフの方や東大阪の役員の方などに挨拶し、師匠のお見送りをして、解散。
師匠や同門の皆さまや弟子たちとこってり過ごした、幸せな2日間でした。

「山村若佐紀 上方舞 夏の会」

国立文楽劇場小ホールにて、毎年恒例、師匠主催の「山村若佐紀 上方舞 夏の会」が行われました。

全37番。
私の門下からも、名取2名を含む6名が勉強させていただきました。

11時開演なのですが、9時に出演者と手伝いの名取は楽屋入り。
白塗りのお化粧をしていただくので、まず浴衣に着替え、石けんでしっかり洗顔します。
出演順にお化粧、そして裾引き衣装の着つけ。
最後にかづらを被せていただいて本番です。

『都鳥』『ぐち』『藤娘』『茶音頭』、それから、若静鐘『岸の柳』若静和『鐘ヶ岬』。
お目だるいところもあったかと思いますが、それぞれ一所懸命の稽古の成果を発表できたのではないでしょうか。
終演後は応援にお越しくださった皆さまと写真を撮ったり、お化粧を落としてくつろいだり、お弁当を食べたり。
本番前とうってかわり、皆ほっとした笑顔です。

そうこうしているうちに、私も出演時間が迫ります。
弟子たちの舞台の合間に拵えをしていただき、あわただしく出番を迎えました。

今回舞わせていただいたのは、地唄『ささの露』。
師匠の振付で、師匠の十八番でもあります。
ヤマタノオロチを退治できたのは酒の力ではないか、李白は酒のおかげでよい詩が書けたのではないかと、お酒を讃える曲です。
神仏を語って重厚にはじまり、大蛇退治の様子、芸妓の酔態、途中で男の振りもあり、最後は華やかな扇遣いで舞い納めになります。
私自身は恥ずかしながら、ほとんどお酒がのめないので、このような洒落た、粋な曲は本当に難しく感じました。
課題はたくさん残りますが、おかげさまで「柔らかくて新境地」「扇扱いがよい」「実際に酔ってるみたいだった」など、嬉しいお言葉もいただきました。

先輩方の舞台をいくつか拝見し、有志の門人と堺筋本町で軽く打ち上げ。
今年も同門の皆さまや弟子たちと、宝物のような時間を過ごすことができました。

東京からの遠征組をはじめ、ご来場くださった皆さま、お気にかけてくださった皆さま、ありがとうございました。
また、まる一日舞台袖で見守ってくださった師匠に、心から感謝申し上げます。

出演情報

2019.07.31 2019.11.06 チケット販売中

第1回 山村若静紀 舞の会

mainokai1001
2019.07.27 2019.08.31 入場無料

山村若佐紀 上方舞 夏の会

nastunokai2019001
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お知らせ

2018.04.24

個人稽古が東京・神楽坂と大阪・九条、グループ稽古が東京・二子玉川と豊中・曽根にて開講中です。

2013.11.06

自由が丘、芦屋でグループレッスン新規開設。

2013.10.01

大阪稽古場を移転しました。