「怪談の夕べ~舞とおはなし」
YFオフィスさま主催、玉造さんくすホールさまにて「怪談の夕べ~舞とおはなし」を開催させていただきました。
まず、地唄舞『黒髪』。
帰ってこない夫をずーっと待っている妻…も、現代の感覚ではホラーなのかもしれません。
そして、実話怪談ブームの第一人者である、中山市朗先生による怪談をたっぷりと。
今回は、私が貴船神社の丑の刻まいりを題材にした『鉄輪』を舞わせていただくので、中山先生には貴船神社や、呪いについてのお話をお願いしました。
身の毛のよだつ恐ろしい内容ですが、民俗学としての面白さもあり、はじめて怪談をお聞きになったお客さまからも大好評でした。
それから休憩をはさみ、地唄舞『鉄輪』。
捨てられた妻が、貴船神社におまいりして後妻を呪い殺し、次は夫を…というところで安倍晴明に力を封じられて退散する、という内容です。
そのものずばり、五寸釘を打ちつけたり、後妻の髪を自分の手にからませて打ち据えたりと、凄絶な振りがついていますが、前半の貴船の山中を歩いているシーンでは、抑えた哀しみ、静かな怒りが表現され、本当に名曲だなあと、私自身も舞わせていただける幸せを噛みしめる曲でもあります。
中山先生のお話のあとでしたので、より『鉄輪』の世界をわかりやすくご覧いただけたのではないかと思います。
あいにくの大雨でしたが、お客さまからは多くのあたたかいお言葉をいただき、また会場の玉造さんくすホールさまは親身にお世話してくださいました。
唄と三味線を担当してくださった野田友紀先生にも感謝です。
改めまして貴重な機会をつくってくださったYFオフィスさま、そして足元お悪いなかご来場くださった皆さま、まことにありがとうございました。