カテゴリー 「日記」 に投稿されたブログ記事一覧
東大阪市文化創造館こけら落とし公演
「山村若佐紀 上方舞 夏の会」の翌日は、東大阪に新しくできたホールのこけら落とし公演でした。
若佐紀師匠は東大阪日本舞踊協会の会長でいらっしゃるので、おひらきに「祝いの舞」でご出演です。
私たち門人一同は、揃いの紋付きを着て朝8:30に集合、師匠のお手伝い。
師匠は前日にまる一日舞台袖にいらして采配されていたお疲れも全く見せられず、いつも通りの元気で朗らかなお姿。
昨日お世話になった顔師さん、衣装さん、かづらさん、小道具さんがそのままいらしていて、昨日のお礼とご挨拶。
師匠は『ぐち』を舞われるそうで、芸妓の拵えが着々とすすみます。
開場すると、たいへん大勢のお客さま。
師匠の『ぐち』は、本当にしみじみと情感にあふれていて、涙が出ました。
終演後は、また楽屋で師匠のお手伝い。
入門して60年をこえる姉弟子さんを筆頭に、それぞれ適材適所、いつも「完璧やなぁ」と感心するチームワークです。
白塗り化粧を落とす係、使用済みのものをパッキングする係…、私は師匠の着物の着つけを担当しました。
みんな師匠が大好きで、師匠のお役に立ちたくて、あれやこれやと動きます。
師匠の舞台のあとは、姉妹弟子どうしが一致団結する、大切な時間でもあります。
スタッフの方や東大阪の役員の方などに挨拶し、師匠のお見送りをして、解散。
師匠や同門の皆さまや弟子たちとこってり過ごした、幸せな2日間でした。
天神祭
天神祭の日は、メインイベントのひとつである船渡御に、毎年参加しています。
乗せていただくのは、歴史学者の高島幸次先生ご主宰の「天満天神研究会」の船。
この船は、大学教授、編集者や新聞記者、作家など、書くことを専門にされている方が多く乗られます。
今年は特に作家の方が目立ち、定員60名のうち、なんと直木賞作家お3人、芥川賞作家おひとり、さらにこの日受賞の発表があった作家さんや、累計1100万部を超えた作家さんほか、綺羅星のような豪華さ。
ほとんどが顔見知りの方ばかりなので、フレンチの名店「ミチノ・ル・トゥールビヨン」の見事なお弁当をいただきながら、わいわいと楽しい時間が過ぎていきます。
花火に歓声をあげ、すれ違う船と手締めをかわし、皆さんの漫才のようなトークに爆笑し…。
お祭っていいなぁ、大阪って文化の層が深いなぁ、と改めて感じます。
また来年も、無事に船に乗せていただけますように。
また1年、しっかり精進しようと気合いも入るのでした。
ベビーブーム
昨年から今年にかけて、若静紀社中はベビーブーム。
お弟子さんに子供さんやお孫さんが、どんどん産まれています。
先日も長くお越しのお弟子さんから、無事出産との写真入りメールが届きました。
かわいい女の子、目元がご本人そっくり。
なんだか私にとっても、孫ができたような気持ちです。
上方舞のお稽古では、肩や顎の力みをとるようお伝えしていたのですが、陣痛のとき、それらがとても役に立ったそうです。
身体をゆるめるのが上手と、看護師さんにほめられたとのこと。
産休明けは、赤ちゃんとご一緒にお稽古に来られる予定です。
稽古場のアイドルになりそうです。
東京理科大学「特別教養講義2」
東京理科大学「特別教養講義2」に、お招きいただきました。
オムニバス形式で、日本の伝統文化にたずさわる方々の講義を全15回行われたそうで、私はその最終回。
ほとんどの方がご宗家や、ご当主嫡男でいらして、そうそうたる先生方と同じ講義を受け持たせていただいたこと、大変光栄に思いました。
テーマは「日本舞踊について」。
担当の渡辺正名誉教授からは「90分をどうぞお好きに使ってください」とおっしゃっていただきましたので、まずは60分ほど日本舞踊についてのお話。
舞楽や神楽、白拍子、また念仏踊りなどを含めた日本の舞踊の歴史、それから一般的な意味での日本舞踊の、舞と踊りの違いなど、動画をご覧いただきながらご紹介しました。
そのあと、教室に毛せんを敷いて、地唄舞『黒髪』の実演。
最後に質疑応答。
男子学生さんが多かったので、日本舞踊に興味をお持ちいただけるのか心配でしたが、実演をずいぶん集中して見ていただき、ほっとしました。
なかなかうまく話せませんが、伝統芸能や日本舞踊について知っていただける機会が増えること、本当に嬉しいです。
お声掛けくださった、小笠原流次期ご宗家の小笠原清基先生に、改めて感謝申し上げます。